バスタブでの愛WinkingHappyLaugh

第82回アカデミー賞が近づいてきている。授賞式は3月8日。ひとあし先に開催されたベルリン映画祭では、寺島しのぶが女優賞を受賞した。日本映画、頑張れ!

アカデミー賞は政治色が濃いとか、本物の映画賞はゴールデングローブ賞だ、という論議はもっともではあるが、WOWOWで生放送されるアカデミー賞は、やはり華やかで見ていて楽しい。

アカデミー賞受賞作の映画でお勧めをひとつ。アンソニー・ミンゲラ監督、1996年の
『イングリッシュ・ペイシェント』。出演は、レイフ・ファインズ、ジュリエット・ビノシュ、クリスティン・スコット・トーマス。ミンゲラは作品賞、監督賞、2つのオスカーを手にした。看護士役で素晴らしい演技を披露してくれたジュリエット・ビノシュは納得の助演女優賞を獲得。ノミネートはされたが、主演女優賞の栄冠獲得とならなかったクリスティン・スコット・トーマス。主演女優賞獲得が『ファーゴ』のフランシス・マクドーマンドと聞けば納得せざるを得ないのだが。夫ではない男性を好きになり、愛し始め、一線を越えるまで、この感情の変化と流れをクリスティン・スコット・トーマスはとても巧く演じている。

アンソニー・ミンゲラ監督といえば、比較的最近の映画で、2006年の
『こわれゆく世界の中で』がある。アカデミー賞には全く縁がなかったこの映画だが、個人的には好きである。出演はジュード・ロウ、ジュリエット・ビノシュ、ロビン・ライト・ペン。この映画も『イングリッシュ・ペイシェント』も、どちらも不倫を扱っている映画だが、ミンゲラが好きなテーマなのだろうか(笑)。

もう一つ、この両者に共通することがある。それは、不倫の二人が愛を交わす場所としてバスタブが登場すること。バスタブでは激しいラブシーンが展開されるのではなく、語らいの場なのだが。語らいとはいえどラブシーンではあるから、だっこちゃんスタイル(^^).。これまたミンゲラが好きなラブシーンの姿なのかもしれない(笑)。

愛し合っているはずなのに、空回りしてしまうカップルにジュード・ロウとロビン・ライト・ペン。ボスニアの英雄であった夫をなくし未亡人となり、息子とともにイギリスに亡命してきた役にジュリエット・ビノシュ。ふとしたきっかけでジュード・ロウとジュリエット・ビノシュは知り合い、そして深い関係になっていく。新しい愛の可能性を感じ始めるロウ。ロウと同様に、新しい愛に心をゆだねようとしながらも、とある事実からロウを疑い始めるビノシュは両者の葛藤に苦しむ。哀しさと愛しさ、その狭間にいる人々の心を描いた秀作である。