おふくろの味継承はお早めにLaughHappyWinking

ふと思いついて「たくあんの醤油煮」をつくってみた。私にはと〜っても母親の味、おふくろの味。ご飯のおかずにもいいし、日本酒のつまみにも最高(^^)/。

daikonni

作り方はいたって簡単。たくあんをボールに入れ、完全にかぶるぐらいの水を注いで半日位置いて塩抜きし、そのたくあんを1センチ幅の輪切りにして醤油と酒(みりんでもよし)、鷹の爪を一つ入れて煮るだけ。醤油と酒の量は、通常の大根の煮物をつくるときの感覚で。鷹の爪は一本を2つに割り、種をある程度捨て、サヤと3〜4粒ぐらいを入れるのが個人的にはちょうど好みの辛さである。

何度か友人知人に裾分けをしたことがあるが、誰からも喜ばれた。そして皆この不思議な食感と味に驚く。先日、ランチを一緒にした友達に出してみたところ、パクパク食べて止まらなかった。通常の大根煮よりも歯ごたえはあるけど違う味。通常の大根煮とは異なる塩分感。口の中でのカリカリという音、飲み込んだ後にふわっと広がる程よい辛味。水でも飲まないとしんどいという辛さではないが、じわじわっと舌に広がる辛味は意外に持続性がある。一度試してみて、舌にビンビンくる方が好きという人は、鷹の爪の粒を増やしたらいいかもしれない。でもまずは3〜4粒からがお勧め。

「たくあんの醤油煮」はいつも実家の自家製たくあんで作っていた。だが、年老いて力も無い母にたくあん漬け込み作業は重労働となっている。醤油煮は20年以上前から自分で作っているが、たくあん作りはまだ未経験。実家のたくあんは着色料を使わないのは当然だとしても、甘みもかなり控えめの味。それが私には世界一美味しいたくあん! 今回の醤油煮は産地直売のものを使った。スーパーのものは、着色料だけでなく、アミノ酸と称した「化学調味料」が必ずといっていいほど入っていて、それが妙な甘さとなって不快な感触で舌に残る。なので、できれば「ケミカル」な物質が入っていないたくあん使用をお勧めする。

「おふくろの味」は永遠性という響きを持つ。一説によると、12歳までに食べていた食事はその人の食生活を永遠に規定するという。おふくろの味、中には「親父の味」、「パパママの味」もあるかもしれないが、子供時代の「家庭の味」は死ぬまで美味しいと感じられるということらしい。もちろん好き嫌いがあるわけだから、「好き」だったものが、ひとつの「料理の味」として脳内の記憶に刻まれるということだろう。

平均寿命が伸びたとはいえ、親がいつまでもピンピンしているとは限らない。おふくろの味を継承するなら、早めがいい。極端に言えば、親が50代、60代位になったら、不測の事態に備え、レシピを確認しておいた方がいいかもしれない。ずっと食べる側でいると、ただの煮物じゃん、とか、ただの炒め物だし、などと案外軽く考えがちで、真似るのは簡単だと高をくくってしまいがちだが、自分で再現を試みてみると、味が全然違ってしまうことが多々ある。調味料の微妙なさじ加減や投入順序、想像外の下ごしらえ、こだわりの食材選びが意外にも潜んでいることがあるものだ。だからこそ、実家に行けばいつでも食べさせてもらえる、こんなふうに親がピンピンして元気な年齢にこそ、おふくろの味を継承すべきだと思う。認知症や大病を患わないまでも、親が70代後半から80代にもなると、体力や気力の減退と比例するかのように、本人の料理作成意欲も激減してくる。

私にとっての「おふくろの味」は、7割位継承できたように思う(かなり推測に近いが(汗))。残りの3割は今後の課題。だが、課題であることとは別にして、作る意欲が失せている親を見ることも哀しいし、いずれは母親自身が作った「おふくろの味」とも別れる日がくるのだと考えることの方がもっとずっと哀しくてツライ。だからこそ、皆さん、早め、早め、が肝心ですゾ。